小さな成功とポジティブなサイクル
吃音・あがり症は、人に知られたくないと思ったり、恥ずかしい事だと思ってしまうと悪化します。人と話すときにいつも、どもったり、あがったりすることをイメージしてしまうからです。
このような心理状態だと、新たな失敗がネガティブなイメージを強化し、症状を悪化させます。
でも、逆も真なり、です。ちょっとした事でもよいので成功体験があると、「うまくできたじゃん」となって、ほんの少しだけ自信がつきます。すると、さらに小さな成功体験をしやすくなるので、ポジティブなサイクルに入ることができます。つまり、症状が軽減されていくのです。
実際、私はこのようなサイクルを経て、歯科恐怖症を大幅に改善させました。まずは、自分が歯科治療に恐怖を感じており、ふつうの人と同じようには治療できない事を歯科医の先生に理解してもらうところから始めました。
すると、先生や歯科衛生士はそのつもりで治療してくれるので、思ったよりも何とかなるという感じがあったのです。
とはいえ、そうなるまでに何回か通っていますので、いきなり初診からポジティブなサイクルに入れたわけではありません。でも、恐怖心が大幅に小さくなったため、いまでは、定期健診のハガキをもらっても気軽に行けるようになりました。(以前は、よほどの激痛でもない限りは、歯医者には近づくことができませんでした。)
このように、小さな成功体験からポジティブなサイクルに入ることで、吃音・あがり・恐怖症などは改善のきっかけをつかむことができます。